2023年2月8日、大阪府寝屋川市にあるブリーダー業者の「フィスドシェリ―」代表の橋本千代子容疑者が、衰弱した小型犬に適切な治療を受けさせずに放置したとして、動物愛護法違反容疑で逮捕されました。
ポメラニアン、チワワなどの小型犬の赤ちゃんをかわいがる様子をSNSに載せたり、優秀なブリーダーである事をアピールする一方で、実際の犬達の飼育環境は非常に劣悪で、今回は犬10匹に対しての逮捕容疑でしたが、実際はたった数カ月間で100匹以上の犬が死んでいたという証言も出ています。
大阪【悪質ブリーダー】橋本千代子の評判は優秀!?
ほとんどの紹介サイトは閲覧不可能になっていますが、現在確認できるブリーダーサイトのBreederOne(ブリーダーワン)に橋本千代子容疑者の紹介ページがありました。
主にポメラニアンのブリーディングに 力を入れてます。ドックショーでも 次々と チャンピオン犬を 出しています。室内ドックランで のびのびと運動もさせ、家庭的な店舗で お客様に納得していただいた上での販売を心がけています。~中略~ 全国ペット協会 家庭動物販売士や マウスケアーメンター フードレシピプランナーの資格をとり、ドッグフードにもこだわり、衛生面、健康面なども充分気を配っております。スタッフも 交配から出産後のケアにも対応できるように 指導してますので 安定して 健康な仔犬をお譲りすることができます。
橋本千代子ブリーダーの犬舎紹介文 より
ご覧の通り、総合評価はかなり良く、寄せられた口コミも高評価ばかりでした。
- 最高に可愛いポメちゃんです。本当に親切にして頂いて、感謝でいっぱいです。可愛いポメちゃんを家族に迎える事が出来てよかったです
- 素晴らしいブリーダーさんです。色々見て回った他のショップでも、お散歩ですら見かけたこともないくらい素敵な可愛い子を購入させていただきました。直接お会いして、ポメラニアンという犬種への愛情や情熱、プライドと責任をもってブリーディングされているのが伝わりました。ポメラニアンを飼う上で心配だった、無駄吠えやかじりぐせ。躾の本を読み漁っていましたが。必要ないくらいすでに犬舎にて躾がされていました。トイレも完璧です。こんなに可愛くていい子で感謝しきれません。どうもありがとうございました!!
- ありがとうございました。はじめてのペットなので分からないことが、親身に相談にのって頂きありがとうございました。お陰様で、とても可愛い子犬と出会うことができました。
ギャップに驚愕!元従業員の証言は酷いものばかり!
劣悪飼育環境に犬400匹以上。数ヶ月で100以上が死亡
橋本千代子容疑者が所有する建物の中には、所狭しと並べられた100を超える狭いケージに2匹ずつ以上入れられた約400匹以上の犬が飼育されていました。
以下は元従業員の証言です。
- すごい臭いで、ふん尿まみれみたいな。真夏とか室温30度超えていたんで。中には暑さで熱中症みたいになって、吐いている犬とかもいたんで。ひどい飼育状況でした。
- 橋本容疑者からは「おとなの犬には1日餌を与えなくていい」という指示があり、やせ細った犬や新聞紙の上で息を引き取る犬もいました。
- まだ生まれて2日~3日とかいう子が、朝カチカチになって死んでる。朝来たら5頭とか。犬が死んだら『あなたのせいで犬が死んだ』と言って、スタッフにお金を要求していたりしました。
- 病院に連れて行ってくれと(橋本容疑者に)言っても、『まあ大丈夫やろ』みたいな感じで病院に連れて行かない。ひどい以外の言葉が見つからないくらいです。
たった数ヶ月100匹以上の犬達が死んでいくのを見たという従業員もいました。
販売の為、SNS更新は必死
- SNSの更新には力入れていましたね。犬を洗って写真を撮ってアップしろ、アップしろって。写真撮る一瞬だけきれいにしている感じです。死んでいる犬がおるのに、そんなんしている暇ないっていう話をしても、『犬が売れないと、犬が売れないと』という事しか言ってなかった
上記、元従業員の証言の通り、インスタグラム・フェイスブック・ティックトックとSNS更新には力を入れていたようです。
犬は物以下、死んでも無慈悲対応
聞いていられない程の酷い内容の証言が数多くでています。
- 半数は重症、重病。健康で体格もちょうどいい子は一匹もいなかった。『スピカくん』っていうんですけど、足が後ろに向いていたんですよ。ぐりっと180度後ろに向いていて。3年前に落とされて、足を骨折してたんですって。ほんまに犬のことを“モノ以下”やと思ってるなって
- 発情が来るたびに(交配を)かけて、どんどん子犬を産ますってことをやっていたので。人数が足りなくて世話が行き届かないっていうのと、過密飼育しているので、一回伝染病とか感染症にかかると爆発的に感染するんですよ。医療にもまともにかけていなかったので、どんどん子犬が死んでいった。
- 帝王切開が本当は必要なのに放置されて、赤ちゃん半分出てぶら下げたまま歩いている子犬とか。その赤ちゃんももちろん死んでいて
- 体が悪いことをわかっていて、一週間くらいご飯も食べてない子がいてて病院にも連れて行かないんです
- 犬が死んだとき、火葬するまでは冷凍庫に入れているんですよ。なくなった子を『もう冷凍庫いっぱいだわ』って笑ってるんです
犬が亡くなっても橋本容疑者は「あ~あ」「この子、いくらで売れたのに」と言うだけだったそうです。もはや、生き物に対する感情が崩壊しているとしか思えません。
訴えられても、とぼけたふり
あまりにも酷い状況に元従業員がタレントの杉本彩さんが代表を務める動物愛護団体に相談。2022年に刑事告発をしました。それに対し、橋本容疑者は
うちじゃないねん
と全面否定。今回の逮捕に関しても「病院にも連れて行っていたので、適切な保護を行わずという部分に納得がいきません」と容疑を否認しているそおです。
まとめ
対外的には犬達に対し愛情深く飼育しているとアピールをし、実際は真逆の劣悪極まりない環境の中で沢山の犬達がどうする事もできずにただただ生きていたと思うと、言葉にならない事件です。生き残った犬達がどおか残りの人生(犬生)を幸せに過ごせることを祈るばかりです。