福岡県の西日本短期大学附属高等学校(西短)のバレーボール部での監督とコーチの指導のあり方が問題になっています。西短と言えば、全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)に何度も出場している強豪校です。勝ち続ける為に、当然練習は厳しいのでしょうが、問題になる程の指導はずっと以前から行われてきたのでしょうか?
西短バレー部の元監督は岩谷敏秀氏
今回の行き過ぎた指導をしていたとされる西短バレー部の元監督の公表されている情報は「約40年、同校の女子バレー部を率いてきたベテラン男性監督(60代)」(NEWSポストセブンより)。約40年という長い間、強豪チームを率いてきたので、メディアに名前が登場しています。
「春の高校バレー」として知られる「第69回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞社など主催)の福岡県大会は19日、福岡市民体育館(博多区)で決勝戦が行われた。男子は東福岡が6年連続8回目、女子は西日本短大付が2年連続4回目となる全国大会への夢切符をつかんだ。全国大会は来年1月4日、東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。
西日本短大付が追いすがる八女学院を退け、逆転で大会連覇を果たした。~中略~ 岩谷敏秀監督の話「スパイクをよく拾えた。日ごろの練習の結果が出た。よくここまで成長してくれた」
2016年11月 産経新聞より
国体に出場していた女子バレー部の(女子部員数名の名前)そして福岡県チームのコーチとして同行していた岩谷監督が平泉名物の[かりんとうまんじゅう]を持って報告に来てくれました。
西短校長のブログ~生き生きとした生徒諸君の今を伝えます~ より
以上の事から、西短バレー部の元監督は岩谷敏秀氏だと思われます。
西短バレー部、元監督の岩谷氏とコーチによるヤバ過ぎる指導とは
2022年に報告され問題となり、緊急保護者会で話された指導内容は、NEWSポストセブンの記事によると以下の通りです。
3年生部員の遠征参加拒否
鹿児島遠征前に3年生12人全員に「お前たちを育てることができなかった。週末の遠征に3年生は連れて行けない。遠征費は返す。お願いだから部を辞めてくれ」と1万円ずつ渡し、3年生を残して遠征へ。遠征組を労おうと笑顔で出迎えた3年生に対し監督が激怒。5人の部員がやむを得ず退部。
部員同士の体罰へ誘導
思い通りに動けない選手のダメ出しを部員達にさせ、コーチは「叩け」とは言わず「叩けばいいやん?」と促し、自分ではなく部員にビンタをさせる事も。従わなければ叱責。
この件に関し、緊急保護者会の質疑応答では
背中を叩いたことはあるかもしれませんけど、僕は指示していません。(子供たちにいつも)思いを言い合えとは言っています (監督)
暴言による人格否定
練習中に「邪魔だ」「辞めてくれ」「ブス、デブ」度々暴言を浴びせる。「社会不適合者」とも。
この件に関し、緊急保護者会の質疑応答では
体罰はありません! 暴言は言葉のあれで、本人たちが『邪魔だ』などをそうというのであれば暴言の中に入るのかもしれません (監督)
(部員たちに)早く動いてほしい、どうにか上手くなってほしいという気持ちが私にあって、しれっとした顔のときがあったで、言葉は悪いと思うんですけど「ブサイクな顔せんで」とは言いました。顔のことではなく、表情のことでした (コーチ)
不調選手は練習後も全員から無視
練習で監督とコーチから集中砲火を受けた部員は、寮に戻ってからも全員から無視。従わない部員はコーチに告げ口も。
猛暑日でもエアコン使用は3時間のみ
熱中症対策が求められる中、猛暑日でもエアコン使用は3時間のみ。耐えられずベランダで下着姿で寝る部員も。
大人関係者の宴会の手伝い
寮で監督や関係者が宴会をする時は、担当部員が宴会の終了まで寝ずに手伝いを行う。
この件に関し、緊急保護者会の質疑応答では
ビールを呑んだとういうことは実際にありました。だけど、何時間も子供たちが寝ているのを起こしてというのはありません (監督)
「食トレ」という名の残飯処理
関係者の大人達の宴会終了後、痩せている部員数名が就寝中にもかかわらず起こされて、残った食事を食べさせられる。
ヤバ過ぎる指導はいつから?
いつから以上のような指導がされていたのでしょうか?ずいぶんと以前からされていたのでしょうか?何か指導に対しての記述がないか調べてみました。
- かなと急遽決まって はま寿司からの西短www たかえちゃんにも 岩谷も松石もみんな変わってない (2015年9月9日)
- 想像もつかないほどの歴史があるんだなって思ったそんな壮行会。スピーチを聞いて泣くような私ではないけど、今日の岩谷先生のスピーチは泣いてしまった。今度は全国大会のセンターコートで先生を泣かせてほしい。がんばれ西短 (2015年12月19日)(部員の集合写真と共に掲載)
- 西短の春高バレーありよる! 岩谷先生元気そうやな(^ ^) (2017年1月5日)
- 西短すげぇ〜 春高バレー2回戦突破しとーやん! さすが岩谷先生。次は大阪の金蘭会かぁ、大本命やな。勝てばベスト8!がんばれ (2017年1月5日)
- 春高バレー 、西短 2回戦勝利 すげ~ぇ。 6連続得点、 明日は 国体女王 金蘭会 頑張れ 西短! 岩谷先生も元気そうだ (2017年1月6日)
おそらく関係者だと思われる以上の内容が、ツイッターにて2017年以前だけで確認できました。監督をしてきた年数の割には確認できるコメントが少ない気はしますが、岩谷氏を思うコメントです。
- 久々めっちゃみんなに会いたいわぁー。西短バレー部だけやなくて他にも会いたいいっぱいおるけん遊べる人予定が合えばうちと遊んでください笑 (2016年11月13日)(部員集合写真と共に掲載)
- 西短を卒業しました。改めて皆んなといたら楽しいって思えました。バレー部を支えてくれた人に感謝しかないです (2016年3月4日)
- 西短バレー部! これを見てわかったら凄いよ!わら てか、わかると思う。 だって、3年間みんなと一緒にいたんだもん!\(^^)/ (2015年7月4日)
西短バレー部のOG達と思われるコメントのツイートも確認できました。
具体的にいつから行き過ぎた指導がされ始めたのかは確認できませんでした。しかし、上記ツイートにあるように2017年以前の様子では、バレー部内の殺伐とした緊張感のようなものは感じられません。
まとめ
行き過ぎた指導が問題となっていますが、少なくとも2017年以前には公にされている分だけではありますが、岩谷氏を思うコメントも確認されています。とは言え、岩谷元監督とコーチの指導によって深く傷ついた部員もいます。関係者の報告が事実ならば、被害にあった生徒達の心の傷が少しでも癒える日が早く来る事を願います。